2015年7月30日木曜日

「ヴィーガン」がこれからのビジネスチャンス - 米Googleも積極的に乗り出し


Impossible Foods, Inc 社のウェブサイト

米グーグル(本社マウンテン・ヴュー)は、植物性の原材料だけでチーズバーガーを作る会社、Impossible Foods, Inc(http://impossiblefoods.com) を2億ドルから3億ドル(240億円から360億円)で買収する交渉をしていたのだそう。

しかし、Impossible Foods, Inc はより高い額を要求した為、交渉は成立せず。

環境に悪い動物性の食品に頼らず、持続可能な植物性の食品開発をするImpossible Foods, Inc 社には既に、ビル・ゲイツやグーグル社の役員トニー・ファーデルが出資しています。

https://www.theinformation.com/Google-Bid-for-Cheeseburger-Company-Impossible-Foods より

これと似たようなケースでは、ツイッターの共同投資者が、純植物性の食材を製造・販売する  ビヨンド・ミート(http://beyondmeat.com)に投資しています。

http://www.huffingtonpost.com/2012/06/14/beyond-meat-vegan-twitter-cofounders_n_1597973.html より

消費者の意識も動向も、より高い次元に向かっています。そしてアメリカの大企業がそれを率先して行く。ワクワクするモデルですね。


日本ではまだ、「畜産・食肉加工産業がなくなってしまうと経済がなりたたない」というしがらみに囚われた「お金儲け第一主義」の古い人達が、環境も道徳も省みずに肉食を正当化&美化して推進していますが、消費者の意識は、経済至上から、環境や道徳的価値に確実にシフトしています。


そして、ネパールの英断 アヒムサー(非暴力)のヒンドゥー文化が返ってきた

アヒムサーの勝利!


2007年から共産主義の政権によって「無宗教国家」と定められたネパールが、今年になって「無宗教」という言葉を取り除き、宗教の自由を認めることになりました。

実質的には国民の大多数のヒンドゥー教徒の、伝統に沿った文化的な生活を続けたい、という根強い要望が叶ったということです。

ネパールを旅行された人なら誰でも知っている共産党「マオイスト」の指導者達も、この決断が現実的だと悟っての改正です。

http://timesofindia.indiatimes.com/world/south-asia/Nepal-may-remove-secularism-from-new-constitution/articleshow/48242178.cms より

そして本題ですが、昨年(2014年)に、ネパール西部で5年に1回催される、50万頭の動物を殺して奉納するという祭事が行われた事に対し、インターネットを通じて世界中から批判の声が上がり、Change.orgといった、誰でも始められるネットの署名活動が世界中に広がりました。


話は反れますが、ノン・ヴェジの人達(主にクリスチャンとかムスリムとか仏教徒とか)は、約2分ごとに、50万頭の動物を殺しているのですけどね。2分間で50万頭殺している人達が、5年間に50万頭殺している人達を批判するのって、、、?
ベジタリアンのヒンドゥー叩きする前に、1週間に1回でも、ベジタリアンになってくれたほうが、より多くの動物を救えます。

世界で人間の嗜好と経済活動の為に、食肉用として殺される動物の数は、年間56億頭。
5年分だと280億頭です。
http://www.animalequality.net/food より

でもやっぱり、ネパールのような神聖な場所で、50万頭の動物が一気に殺されるのは、物議を醸しても仕方がない。ベジでアヒムサーのヒンドゥーの人達にとっても、受け入れ難い事実です。SNSを通して個人単位で情報が世界レベルで交換される時代。世界中から批判が集まりました。


しかし、300年近く続いた「伝統」であす。
伝統を守る人達がどう出るかを見ていると、、

「そうね、ヒムサー(暴力)は良くないよね」ということで、あっさり伝統に幕を閉じることを英断。めでたし!!
http://www.animalsaustralia.org/features/nepal-ends-worlds-largest-animal-sacrifice-event-gadhimai.php

最も破壊的な常套句は、「いままでずっとこのやり方でやってきたから」である。

しかし、この300年という数、ヒンドゥーの伝統と言うには、ちょっと日が浅すぎる。ヴェーダやプラーナにある伝統ではあり得ない。きっと、他の宗教からの影響と見なした方が良いでしょう。

それはどうであれ、ヒンドゥーの偉い所は、「ダルマって時と場所で解釈が変わるものだから」という教えなので、時代に合わないこと、特にアヒムサー(非暴力)に関わることは、フレキシブルに変えていくことです。

このフレキシビリティーを、他の宗教や国家も見習えば、地球はもっと平和な場所になるのですがね。

「アヒムサー・パラモー・ダルマハ(अहिंसा परमो धर्मः)」
非暴力が最上の価値である。
これがヒンドゥーが知っている、人類にとって一番普遍的な価値感です。

時代遅れな教義を掲げて、暴力で罪のない人々を死傷させたり、ましてや女子供も自爆させたりするのは、時代だけではなく、人類のあり方自体に反しています。

皆が幸せになってこそ、宗教が宗教、国家は国家の意味を成すのですけどね。
人類を恐怖に陥れるような宗教や国家って、その名にも相応しくないのです。

2015年7月29日水曜日

平和と非暴力とベジの国インドが制定した、最新英断5つ

人々の関心はより、動物への残酷さに敏感になっています。

1.イルカの捕獲とイルカ・ショー



インド環境庁が、国内でのデモや反対意見に押されての英断


2.動物実験をした化粧品の輸入の禁止



3.インドJetwaysがフカひれの空輸を拒否 



フカひれの採取のためにサメが乱獲され、海洋のエコシステムが乱されていることから、
海洋環境保護の為の英断



 4.ネパールの屠殺祭の時期に合わせて、ネパールへの違法な動物の輸送を止めるように、インド政府が命令


悪名高きこのネパールの祭典は、世界中からもストップするようにと署名を集める活動が盛んに行われていた。

ムスリムやクリスチャンのほうが、毎日より多くの数の動物を屠殺をしているわけだが、非暴力をかかげるヒンドゥーとしては、これは辞めるべき。辞めることも文化ですから。


5.パンジャブとハリヤナ(インド北西の2州)が、鶏卵用バタリーケージ(写真参照)の使用を禁止




ザ・ベター・インディアより
http://www.thebetterindia.com/16188/laudable-initiatives-india-stop-animal-cruelty/


ちなみに、マハーラシュトラ州での牛の屠殺を禁止したり、
(地元グジュラトではとっくの昔から)、
国際ヨガデーを制定したり、
天皇陛下や安部首相にギーターをプレゼントしたりしてる、
モディ現首相は、プージャ・スワミジの敬謙なデヴォーティーです。

2015年7月27日月曜日

全部ヴィーガン!日本でもこんなの欲しい!サンスクリット語由来のダイヤー社のヴィーガン・チーズ・ラインナップ

時代の要望に全て応え、全品ヴィーガン(動物性原料不使用)の、デイリー・Free(乳製品を全く使わない)のチーズ、チーズケーキ、ピザなどを生産している、Daiya(本社カナダ)http://us.daiyafoods.com/ の商品と、FAQを紹介します。

Daiya社名の由縁


ちなみに、社名のDaiyaは、
サンスクリット語で、「コンパッション、思いやり」という意味の、
दया [dayā] から来ているのだそう。
これで、とても親近感が湧きました。

ベジタリアン、特にヴィーガンは、
「他の動植物への痛みを最小限にしたい」という、
最も人間らしい尊い考えによる選択です。

文化や動植物を守ってこそ、人間は人間と呼ばれるに相応しいのです。

全部ヴィーガン!乳製品完全不使用の製品ラインナップ

チーズ・ブロック(塊)


  • ハラペーニョ
  • チェダー
  • ジャック(アメリカ風)
  • スモークド・ゴーダ




チーズケーキ


  • ニューヨーク・チーズケーキ
  • キーライム・チーズケーキ
  • チョコレート・チーズケーキ
  • ストロベリー・チーズケーキ


チーズ・マカロニ


  • デラックス・ホワイト・チェダー(野菜入り)
  • デラックス・チェダー
  • デラックス・アルフレド

クリーム・チーズ


  • プレーン
  • ストロベリー
  • あさつき&玉ねぎ



ピザ(生地はグルテン・フリー)


  • シュプリーム
  • ビアンカ
  • チーズLover’s
  • マルガリータ
  • 直火焼きベジタブル
  • きのことニンニク

おろしチーズ


  • クラシック・ブレンド
  • モッツァレッラ
  • チェダー
  • ペッパージャック


FAQが素晴らしい

現代の消費者の要望をよく表していて感心します。

http://us.daiyafoods.com/faq/ より

Q: Daiyaの製品はオーガニック又はGMO(遺伝子組み換え食品)フリーですか?
A: オーガニックには認定されていませんが、当社が仕入れる原料は全て、GMOフリーであることを証明するように要求しています。

Q: 保存料や合成添加物は入っていますか?
A: 当社の製品は、保存料・合成添加物フリーです。

Q: 製品にはパームオイルが使われていますが、何処から輸入しているのですか?
A: オランウータンの生息地ではない、RSPO(パームオイル持続性会議)の認定を得たブラジルの農家から仕入れています。


日本でも、このような商品展開と、道徳的精神を持った会社が繁栄して欲しいですね。

2015年7月23日木曜日

巨大企業に訴えられたお陰で22億円分の広告費用がタダに

One Green Planet より


ヴィーガン仕様のマヨネーズ「Just Mayo」の生産・販売をする
Hampton Creek社は、発売当初に、
卵入りのマヨネーズを生産している巨大企業Uniliever社から、
マーケットシェアを横取りされるのを懸念して、訴えられることになります。

 しかし、その一部始終を全米のメディアが報道し続け、
民意が「Just Mayo」に傾いているのを悟り、
結局Uniliever社は1週間後に告訴を取り下げる結果に。

大成功

その1週間で、全米の多くのメディアが取り上げた為、
「Just Mayo」は2200万ドル(22億円)相当の広告を、
タダでしてもらったことになりました。



環境とベジタリアン 世界の動向 - シリーズ3 統計

Environmental Magazine の最新号(2015年5月6月合併)から抜粋





食肉の需要が増えるにつれ、畜産業に地球資源が食い尽くされている


・ 地球全体の農耕地の70%は畜産業に使われている。

・ 地球全体の土地の30%は畜産業に使われている。

畜産業に使われる土地と空気、水は汚染され、環境を破壊します


・ 生物多様化破壊の30%は、畜産業が原因の森林破壊、土壌破壊、砂漠化による。

・ 国連(UN)食料・農業庁(FAO)は、食肉消費増加による環境破壊を懸念・指摘しています。

畜産業は地球に毒を撒き散らします


・ 米国では、除虫剤の37%が畜産業に使われている。

・ 米国では、抗生物質の50%が畜産業に使われている。

畜産業は食料を無駄にします


・ 全世界の穀物の生産量の44%は家畜によって消費されている。

・ EU全体では、穀物の生産量の3分の2が家畜によって消費されている。

・ 食肉中のたんぱく質1kgを生産する為に、植物中のたんぱく質6kgが必要。

・ 全世界の大豆の生産量の80%は飼料になっている。

畜産業は人間の飢餓の原因です


・ 畜産業に使われている穀物で、40億人が食べていける。




環境とベジタリアン 世界の動向 - シリーズ2 各食品のWF(ウォーター・フットプリント)

Environmental Magazine の最新号(2015年5月6月合併)から抜粋

食物を生産するのに、どれだけの量の水が必要かを計算したのが、
WF(ウォーター・フットプリント)です。



WF(ウォーター・フットプリント)が低いほど、
環境に対する負担が少なく、その食品はエコだと言えます。

以下の通り、動物性の食品が上位を占めています。

各食品のWF(ウォーター・フットプリント)



1トンの生産に必要な水(トン)
1カロリー当りの水量(リットル)
たんぱく質1グラム当りの水量(リットル)
牛肉
15,415
10.19
112
羊肉
8763
4.25
63
豚肉
5988
2.15
57
バター
7692
0.72
0
鶏肉
1440
3.00
34
3265
2.29
29
牛乳
1020
1.82
31
ナッツ
9063
3.63
139
豆類
4055
1.19
19
植物油
2364
0.81
16
穀物
1644
0.51
21
果物
962
2.09
180
イモ類
387
0.47
31
野菜
322
1.34
26

カロリーベースで、牛肉は穀物やイモ類の20倍以上の水を必要とします。

面白いのは、たんぱく質ベースでも、牛肉は穀物やイモ類の4~5倍の水を必要としています。
たんぱく質から見ても、牛肉は特にWFの効率が悪いのです。


環境とベジタリアン 世界の動向 - シリーズ1 ベジタリアンの人口

Environmental Magazine の最新号(2015年5月6月合併)から抜粋






ベジタリアンの人口

米国(全体)  1500万人
EU(全体)  1000~5000万人
インド(全体)3億7500万人

人口に占めるベジタリアンの割合

米国(男性) 4%
米国(女性) 7%
米国(全体) 2%(ヴィーガン)
EU(全体) 2~10%
インド(全体)31%



日本はまだまだ後進国ですが、消費者の意識の変化から、
現在急成長しているようです。
健康志向もあり、ベジタリアンでない消費者もベジタリアンの食品を消費することからも、
急増するベジタリアン食品の需要に合わせた商品開発が期待されます。

2015年7月22日水曜日

「エシカル」なブランディングで全米展開する、日系女性のヴィーガン・チーズ

日系人のMIYOKOさんの、Miyoko's Kitchen は、
カルフォルニア州サンフランシスコ北部のフェアファックスに拠点を置き、
全米で約300の小売展開をし、
純植物性ヴィーガンチーズ各種の生産・販売をしています。



Miyoko's Kitchen ブランドから発売されているヴィーガンチーズは、
売り上げの1%を、アメリカの有名なヴィーガン啓蒙活動団体である
ヴィーガン・アウトリーチ(http://veganoutreach.org/)や、
動物愛護団体であるマーシー・フォー・アニマル(http://www.mercyforanimals.org/
へ寄付することにより、相互のブランド・マーケティングに成功しています。



健康志向の高い消費者はもちろん、道徳意識の高い消費者は、
食料品や日用品の購買において、一般の価格帯の数倍を支払ってでも、
「エシカル(倫理的、環境保護や社会貢献につながる価値感)」
基づいた商品の選択をしています。

日本の企業も、そういうところに目をつければいいのにね。

米国業界トップのセブン・イレブンも、ヴィーガンへ

Ecorazzi より

米国のコンビニ業界トップのセブン・イレブンが、自社で作るサンドイッチに使うマヨネーズの全てを、純植物性の「Just Mayo」に切り替えました。
今世界中で注目されている、ヴィーガン仕様のマヨネーズ

そんな小さなことで、世の中変わらないよ~、と思った方へ:
サンドイッチに使うマヨネーズを、動物性から植物性に変えただけで、
セブン・イレブンが1年間に変えられる違いは、、、


環境的には、
3億リットル以上の水
400万平方フィート以上の土地
約20万キロのCO2排気
をセーブ出来て、
人間に対しては、
より少ないコレストロール、ナトリウム、飽和脂肪酸を提供することになります。


Hampton Creek社の「Just ~」シリーズは、人間と環境についてよく考えて作られているようですね。
日本でもAvailableなんでしょうか?