2015年7月30日木曜日

そして、ネパールの英断 アヒムサー(非暴力)のヒンドゥー文化が返ってきた

アヒムサーの勝利!


2007年から共産主義の政権によって「無宗教国家」と定められたネパールが、今年になって「無宗教」という言葉を取り除き、宗教の自由を認めることになりました。

実質的には国民の大多数のヒンドゥー教徒の、伝統に沿った文化的な生活を続けたい、という根強い要望が叶ったということです。

ネパールを旅行された人なら誰でも知っている共産党「マオイスト」の指導者達も、この決断が現実的だと悟っての改正です。

http://timesofindia.indiatimes.com/world/south-asia/Nepal-may-remove-secularism-from-new-constitution/articleshow/48242178.cms より

そして本題ですが、昨年(2014年)に、ネパール西部で5年に1回催される、50万頭の動物を殺して奉納するという祭事が行われた事に対し、インターネットを通じて世界中から批判の声が上がり、Change.orgといった、誰でも始められるネットの署名活動が世界中に広がりました。


話は反れますが、ノン・ヴェジの人達(主にクリスチャンとかムスリムとか仏教徒とか)は、約2分ごとに、50万頭の動物を殺しているのですけどね。2分間で50万頭殺している人達が、5年間に50万頭殺している人達を批判するのって、、、?
ベジタリアンのヒンドゥー叩きする前に、1週間に1回でも、ベジタリアンになってくれたほうが、より多くの動物を救えます。

世界で人間の嗜好と経済活動の為に、食肉用として殺される動物の数は、年間56億頭。
5年分だと280億頭です。
http://www.animalequality.net/food より

でもやっぱり、ネパールのような神聖な場所で、50万頭の動物が一気に殺されるのは、物議を醸しても仕方がない。ベジでアヒムサーのヒンドゥーの人達にとっても、受け入れ難い事実です。SNSを通して個人単位で情報が世界レベルで交換される時代。世界中から批判が集まりました。


しかし、300年近く続いた「伝統」であす。
伝統を守る人達がどう出るかを見ていると、、

「そうね、ヒムサー(暴力)は良くないよね」ということで、あっさり伝統に幕を閉じることを英断。めでたし!!
http://www.animalsaustralia.org/features/nepal-ends-worlds-largest-animal-sacrifice-event-gadhimai.php

最も破壊的な常套句は、「いままでずっとこのやり方でやってきたから」である。

しかし、この300年という数、ヒンドゥーの伝統と言うには、ちょっと日が浅すぎる。ヴェーダやプラーナにある伝統ではあり得ない。きっと、他の宗教からの影響と見なした方が良いでしょう。

それはどうであれ、ヒンドゥーの偉い所は、「ダルマって時と場所で解釈が変わるものだから」という教えなので、時代に合わないこと、特にアヒムサー(非暴力)に関わることは、フレキシブルに変えていくことです。

このフレキシビリティーを、他の宗教や国家も見習えば、地球はもっと平和な場所になるのですがね。

「アヒムサー・パラモー・ダルマハ(अहिंसा परमो धर्मः)」
非暴力が最上の価値である。
これがヒンドゥーが知っている、人類にとって一番普遍的な価値感です。

時代遅れな教義を掲げて、暴力で罪のない人々を死傷させたり、ましてや女子供も自爆させたりするのは、時代だけではなく、人類のあり方自体に反しています。

皆が幸せになってこそ、宗教が宗教、国家は国家の意味を成すのですけどね。
人類を恐怖に陥れるような宗教や国家って、その名にも相応しくないのです。